65歳以上へのワクチン接種始まる 第1陣は全市区町村の1割弱

毎日新聞

 

65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が12日、始まった。全国で約3600万人が対象だが、当初のワクチン供給量が少ないため、国から第1陣の配分を受けたのは全市区町村の1割弱にとどまる。多くの自治体は高齢者接種の本格化を5月の大型連休以降と見込み、当初は集団感染のリスクが高い高齢者施設の入所者を優先する自治体も多い。全国最多の300万人強の高齢者が対象となる東京都では同日午前、八王子市で接種が始まった。

 

国内では2月に米製薬大手ファイザーの新型コロナワクチンが承認され、医療従事者らの接種が始まっている。市町村が主体となって住民向けに行う接種は今回が初めてとなる。新型コロナの感染拡大が続く中、政府はワクチン接種を対策の「切り札」と位置づけており、重症化リスクの高い高齢者への接種を進め、医療への負荷を軽減させたい考えだ。

 

八王子市では、市役所1階ロビーに設置した会場で午前9時過ぎから接種が始まった。市民らは問診を受けた後、接種を受けた。接種後、副反応の有無をみるためにしばらく待機した。

 

政府は高齢者向けワクチンの第1陣として先週、全都道府県に計約5万人分を配分。1都道府県あたり約1000人分(東京、神奈川、大阪の3都府県は約2000人分)とごくわずかで、都道府県がどこの市区町村から始めるかを選定した。