第一走者「なでしこ」メンバーに大きな拍手…聖火リレー、福島をスタート
読売新聞
東京五輪の聖火リレーが25日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)から始まった。新型コロナウイルスの感染防止策を取りつつ、約1万人の走者が121日間かけて全国の859市区町村を巡る。トーチでつながれた火は、7月23日の開会式で国立競技場(東京都新宿区)の聖火台にともされる。
昨年3月に大会が延期される前の計画では、聖火の出発式に一般観客約3000人が入場するはずだった。この日は密集を避けるため、無観客で、時間を短縮して行われた。
炎が上る聖火皿の前に立ったのはサッカー・日本女子代表「なでしこジャパン」の選手と、監督だった佐々木則夫さん(62)の計16人。東日本大震災4か月後の2011年7月、ワールドカップで初優勝し、日本中を勇気づけたことで選ばれた。
代表して岩清水梓さん(34)が桜をモチーフにしたトーチ(長さ71センチ、重量約1・2キロ)に火を移すと、大会関係者約160人は声を出さずに手をたたいて喜んだ。午前9時41分、メンバーらは距離を保って走り出し、拍手はさらに大きくなった。
大会組織委員会は、住んでいる都道府県以外での観覧は控えるよう求めている。沿道などではマスクを着用し、前後左右の人と距離を取った上、大声を出さずに応援してもらう。
沿道で密集が発生した場合、その区間の走行取りやめを検討する。緊急事態宣言や外出自粛要請が出れば、公道走行を中止し、各自治体での式典を無観客にすることもある。約600人の著名人走者については、観客を制限できる競技場などを走り、密集を回避する。
聖火は昨年3月、ギリシャ・オリンピアで採火され、特別機で日本に到着。だが、感染が拡大し、リレーがスタートする2日前、大会の延期が決まったため、都内の施設でランタンにともして保管され、昨年9月から各地で展示されていた。