北海道、岡山、広島に緊急事態宣言へ 政府、専門家の意見受け方針転換
政府は14日午前、専門家らで構成する新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針分科会(尾身茂会長)を開き、感染が拡大している北海道、岡山県、広島県に緊急事態宣言を発令する案を諮り、了承された。群馬、石川、熊本の3県について、緊急事態宣言に準じた措置がとれる「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の対象地域に追加する案も了承された。
14日午後の新型コロナ対策本部で正式決定する。いずれも16日からで、3道県の緊急事態宣言は今月31日まで。3県の重点措置は6月13日まで。
政府は当初、緊急事態宣言の対象地域追加は見送り、群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県に蔓延防止等重点措置を適用する案を分科会に諮った。しかし、出席者から3道県に対する宣言発令を求める声が相次ぎ、政府が諮問を差し替える異例の展開となった。
尾身氏は分科会終了後、記者団に「分科会のメンバーのほとんどの人が北海道、広島、岡山を緊急事態宣言に加えた方がいいという議論があった」と語った。釜萢(かまやち)敏・日本医師会常任理事は3道県について「人口規模も大きく、県庁所在地を中心にかなり幅広く感染が広がっており、また非常に感染の拡大の速度が速い」と述べた。
西村康稔経済再生担当相は分科会で、今回の決定にあわせて改定される基本的対処方針で、インド型変異株の全国的な監視体制を強化するとした。19日から出勤者7割減を目指してテレワークに取り組む企業名を公表すると明らかにした。