富裕層誘客へ手続き簡素化 ジェットや大型クルーザー

共同通信社

 

政府は、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、富裕層の訪日観光客が利用するプライベートジェットや「スーパーヨット」と呼ばれる超大型クルーザーの入国手続きなどを簡素化する。富裕層は多額の消費が見込めるため経済効果が大きく、日本を訪れやすいよう環境整備する。世界的なコロナの感染状況を見極めて実施する。

 

個人らの都合で飛ぶジェット機は、観光目的の場合、国内空港に到着する10日前までに申請しなければならない。旅程を柔軟に変えるのが難しく、関連通達を改正し、商用目的の原則と同じ3日前までに短縮する方向で検討している。

 

羽田、成田など10空港はプライベート、ビジネスジェット専用の出入国管理施設が整備されている。ただ運航関連の申請や給油、格納庫の利用手続きがばらばらになっているケースもあり、一括で済む体制などを検討する。

 

スーパーヨットが複数の港に寄る場合は、寄港のたびに乗組員がそろっているかどうかや積み込み品の申告を求めているが、出入国時だけにする。

 

一方、地方部は富裕層が滞在する上質なホテル・旅館、伝統文化体験と高級な食事をセットにするなど高価格商品に乏しい。観光庁は来年度、モデルとなる観光地を10カ所程度選び、高級ホテル誘致や商品開発を支援していく。