景気DI、3ヵ月連続で改善

不動産流通研究所

 

(株)帝国データバンクは10日、2021年4月の「TDB景気動向調査」の結果を発表した。有効回答数は1万1,003社。

 

 同月の景気動向指数(景気DI:0~100、50が判断の分かれ目)は、38.3(前月比0.3ポイント上昇)と3ヵ月連続でプラスとなった。まん延防止等重点措置の適用地域拡大や3回目の緊急事態宣言の発出等、経済活動が抑制された中での改善。米国や中国等の海外経済の回復傾向により輸出が大きく増加したこと等がプラス要因となった。また、自宅内消費は引き続き拡大傾向が続いている。

 

 業界別では、全10業界のうち、「製造」など5業界が改善、「サービス」など5業界が悪化した。

 

 「不動産」は40.8(同0.2ポイント上昇)と3ヵ月連続でプラスに。企業からは、「顧客の投資不動産への関心が高く、問い合わせが増えている」(不動産代理・仲介)、「不動産の問い合わせや成約が増え、リフォームの受注件数も増えている」(貸家)といった声が挙がった。

 

 「建設」は41.4(同0.2ポイント下落)と3ヵ月ぶりに下落した。新設住宅着工戸数が減少基調にある中、木材など建築用資材の不足や価格高騰による影響がみられた木造建築工事等が悪化した。

 

 企業規模別では、「大企業」、「中小企業」は3ヵ月連続で改善。「小規模企業」は3ヵ月ぶりに悪化した。

 

 同社では今後の景気見通しについて、「一時的な落ち込みも見られるが、緩やかに上向いて推移すると見られる」としている。