海外選手ら健康管理に…五輪アプリ、来月中の実用化目指す
政府が今夏の東京五輪・パラリンピックに向けて開発する海外選手ら向けのスマートフォン用アプリの概要が分かった。新型コロナウイルス対策の健康管理を柱とし、入国時の利便性向上などにつながる機能を搭載する。6月中の実用化を目指している。
五輪の際に来日が見込まれる選手や大会関係者は、約10万人に上る。中心的な機能の健康管理では、アプリで日々の体温などを入力してもらい、政府が一元管理することで感染拡大防止につなげる。所在を確認するため、位置情報を定期的に報告してもらうための機能も盛り込む。
入国時に手書きしていた入国カードなど提出書類は、機内などでアプリを使って入力できるようにする。帰国時には、日本国内でのPCR検査の陰性証明書をアプリ上で発行し、帰国した際に活用してもらう。
こうした機能は、新型コロナが収束して海外からの観光需要が回復したときに備え、五輪終了後も利用できるようにする。
政府は当初、計約120万人の来日を想定し、アプリを開発していた。だが、3月に海外からの観客の受け入れ断念が決まり、競技会場で観客を誘導するための機能の搭載を見送った。出国前にアプリを通じて査証(ビザ)を申請できる機能も盛り込まない方向だ。