高齢者の接種完了、7月末で75% 首相「目標達成」

朝日新聞デジタル

 

65歳以上の高齢者向け(対象者約3549万人)の新型コロナウイルスのワクチン接種が、7月31日の時点で1回目が約86・2%、2回目が約75・5%に達したことが内閣官房の集計で分かった。

 

政府は、7月末までに希望する全ての高齢者への接種完了を目標に掲げていた。高齢者の接種状況について、菅義偉首相は7月30日の記者会見で「目標を達成することができた」と語った。ただ、どのくらいの人が接種を希望しているかは不明で、政府は「接種完了」の定義について「新規の予約が入らなくなったとき」(官邸幹部)と説明する。一方、接種予約が8月中の高齢者も確認されており、完了時期ははっきりしない。

 

高齢者への接種は今年4月12日から始まった。内閣官房によると、7月31日時点で1回目の接種を終えた高齢者は全国で約3059万人。2回目は約2678万人が済ませた。

 

首相官邸のホームページ(HP)では、8月1日時点で全都道府県で1回目の接種率が80%を上回り、うち4県で90%を超えた。2回目の接種率は全都道府県で67%以上となり、東京都は74・2%、大阪府は69・9%だった。

 

接種回数は、国のワクチン接種記録システム(VRS)で一元的に管理している。日ごとの接種数は、自治体や医療機関が入力した時点で追加・更新されるため、実際の接種率は現時点での集計よりも高いとみられる。

 

高齢者接種をめぐっては、首相が4月23日の記者会見で、「希望する高齢者に7月末を念頭に各自治体が2回の接種を終えることができるよう、政府を挙げて取り組む」と表明していた。

 

一方で、64歳以下の接種率は低い水準にとどまる。首相官邸のHPによると、8月1日時点で1回目を終えたのは全人口では約34・5%にあたる約4382万人。2回目まで終えたのは約24・6%の約3126万人となった。首相は7月30日の記者会見で、「8月下旬に2回の接種を終えた割合が全ての国民の4割を超えるよう取り組む」との新たな目標を設定していた。